Rebuild ~SEな元カレは彼女との空白の5年間をとり戻したい~
9章:気持ち

 20分もしないうちに、浅間さんが走って店内に入ってきた。
 嬉しそうな笑みを浮かべて神流さんに手を振った、と思ったら私と水原を見て表情を曇らせた。

「神流さんと二人きりだと思ってたのに」
「なんで私が、浅間さんとプライベートで二人で飲むんですか?」

 神流さんがぴしゃりと言い、浅間さんは口ごもる。

「あ、浅間さん、何か飲まれます?」

 私は慌てて浅間さんに聞き、浅間さんのカシスオレンジと、神流さんのウーロン茶を追加した。
 乾杯して一口飲み、神流さんは口を開いた。

「今日の件は、先ほど直接社長に会ってお聞きして、お断りしてきました」
「え? なんで。いいお話でしたでしょ」
「やはり内容もご存知だったんですね。私の引き戻しの件、まさか浅間さんが話をもっていったわけじゃないですよね」

 ぴしゃりと冷たい声が降る。
 浅間さんは息をのみ、視線を逸らせた。

「……まさか」
「5年前のお見合いの件もだまし討ちのように持ち掛けられましたし、社長もなにか勘違いされてましたので、つい警戒してしまいました」
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