【コンテスト作品】たこ焼き屋さんの秘密。
たこ焼き屋さんの秘密。

たこ焼き屋のお兄さん



「んー、今日もいい匂い……」 

 最寄り駅から歩いてすぐの所に、そのたこ焼き屋さんはある。
 帰る時間になると、仕事終わりのサラリーマンたちが数人集まっている小さなたこ焼き屋だ。

 駅の改札を抜けて少し進むと、たこ焼きの美味しそうな匂いが漂ってくる。
 左手の腕時計を確認すると、時刻は二十時半を過ぎている。お腹、空いたな。
 
 そこのたこ焼き屋さんは結構人気で、休みの日に通ると、お昼もお客さんが結構いる。
 遊んでいる途中で立ち寄る小学生たちに、部活終わりの中学生、学校終わりの高校生、サラリーマン、主婦などたくさんの人から人気のたこ焼き屋さんだ。

 私もこの匂いに釣られて、たまにたこ焼きを買うことがあるけど、ここのたこ焼き屋は普通に美味しい。
 中がとろっとしてて、外はカリッとしてて、ソースは甘めで、すごく美味しいたこ焼きだ。

 いつもそこでたこ焼きを作っているのは、二十代前半の若いお兄さんで、元気に声出しをしながらたこ焼きを焼いている。
 汗を流しながら、忙しそうにたこ焼きを作っている姿を見ている。

 私の住むアパートは、駅からこのたこ焼き屋さんを通り抜けて歩くこと約十分ほどの距離にある。
< 1 / 28 >

この作品をシェア

pagetop