見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~
実家へご挨拶@北海道
一月二日。
伊織は朝からバタバタしております。


「乃愛、ほんとにスーツじゃなくていいのか?」

「うん、大丈夫だよー」

「でもさ結婚の相談とかするし…」

「ふふっ、なんか昨日と逆だね」

「…そうだな、ははっ。やっぱ気になるもんな」

「ん、そうだよね。でも今回はかしこまらなくていいよ」

「そっか、じゃラフ過ぎない程度のカジュアルにするな」

「うん。あ、そういえば…この前、初めてスーツ姿見た時…すごくドキドキしちゃったんだ。ふふっ」

「マジで?」

「うん。すごく大人で素敵でカッコよくて」

「じゃあスーツにしよ」

「なっ何で」

「そこまで褒められたらスーツ一択じゃん」

「や…今日はカジュアルにしよ?…ずっとドキドキしてると心臓が大変だから」

「ふはっ、それ、もっとスーツを着ろって言ってるみたいなもんだぞ?」

「ち、違うから!」

「あぁもう何で乃愛はこんなに可愛いんだろうな」
笑ってた伊織にぎゅうって抱き締められた。

「あー可愛い、たまらなく可愛い」
って顔中にキスされる。

嬉しいんだけど…
「ちゃんと支度しよ?」
って、ベリっと伊織を剥がした。

あれ、これも昨日と同じだ。

それがおかしくって、ふふふ、と笑うと、伊織も気付いたのか「俺、剥がされてばっか」って笑った。

「今日明日は一緒にホテル泊だもんな。じゃあ続きは夜に」

最後に、ちゅっと唇にキスして、伊織は着替えに行った。

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