見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~
指環を買いに行こう!
今、伊織と私のいるここは、東京の一等地にある【ink:platinum】(インク プラチナ)というジュエリーショップ。
流行に疎い私でも聞いたことのある【ink:white】(インク ホワイト)を代表とする有名な【ink:】(インク)ブランドの高級なお店。
高級ジュエリー店てそこかしこがキラッキラしてるかと思っていたんだけど、ここは壁も内装も優しいホワイト系とブラウンで設えてあって、上品で落ち着いたラグジュアリーな空間が、より高級さを感じさせている。
そして、上品なのに気さくな女性の店員さんも必要以上の干渉はせず、私達の好きなように見せてくれている。
…ていうか……
確かに昨日、伊織が「近い内に選びに行こう」とは言ってたけど…
その翌日に来ちゃう!?
ほんとに伊織の行動力って半端ない。
ふふっ、大好きだなぁ。
この慣れない高級感に気圧されてそわそわする私とは反対に、伊織はウキウキとショーケースを覗き込んでいる。
伊織は大人だし、過去の彼女さん達にも買ってあげてただろうから、こういうお店に慣れてるんだろうな…って……ちょっとだけ胸がチクチク。
だから。
「俺、ぶっちゃけ貴金属店て初めて入るんだよなー、結婚指環も買わなかったから」
とさらりと話す伊織に驚きを隠せなかった。
…全然気圧されてないのは興味津々だからか。
そう思ったらチクチクがどこかにいっちゃった、ふふっ。
「乃愛はしてたの?指環」
「…うん。でも乗り込んだ時に叩きつけて返してきちゃった」
「ふ、すげぇ。こんなに穏やかで優しい乃愛がそんなことしたんだから、びっくりしただろうな」
「そうだね、驚いてたね」
「乃愛、手ぇ見せて?…んー……乃愛はゴールドの方が似合うかなー。でもプラチナも捨てがたいよな」
ショーケースと私の手を交互に見る伊織につられて、私もショーケースを覗いてみた。
「わぁ……キレイ…」
キラキラとまばゆく輝くたくさんのリングに圧倒されてる私の横顔を見た伊織が「初めて見る顔」ってニコニコしてる。
確かにジュエリーを見てここまで胸を高鳴らせるのは私も初めて。
「あ…かわいい…」
一つのリングに目が止まった。
それは、ピンクゴールドとプラチナが重なるデザインのリングで、センターに小さなダイヤがいくつか並んでいるもの。
シンプルなのに華やかで可愛くて。
「もしかして、あれ?ゴールドだけどちょっとピンクっぽいやつ」
それを指差して伊織が言い当てた。
「うん!よくわかったね」
「実は俺も乃愛に似合うんじゃないかと思ってたんだ」
って眩しい笑顔で言われて、胸がきゅうって鳴った。
「合わせてみます?」
女性の店員さんが笑顔で声をかけてくれた。
「はい、お願いします」
「こちらのペアが、同じデザインでゴールドになるんですけど、こちらもお出ししますね」
と店員さんは伊織のリングも出してくれた。
伊織が私の手を取り、リングをはめてくれるのが嬉しくて、そしてくすぐったい気持ちになって、笑みがこぼれた。
「…なんかドキドキすんな、これ」
って伊織が珍しくはにかんでる。
そしてリングが収まった私の手を見ると、またあの眩しい笑顔。
「ん、似合う!すげぇ可愛い!乃愛はどう?つけてみて」
嬉しくてドキドキする、ふふっ。
「うん、とってもかわいいし、つけ心地もすごく滑らかで…気持ちいい」
……初めて、指環をはめて〝気持ちいい〞って感じたよ?
いいものはどこか違うんだね。
「じゃあこれに決まりだな。あ、俺にもはめて?」
って言われたから、目の前に出された伊織の長くてきれいな指に、ゴールドとプラチナが重なったリングを通す。
あ、同じデザインだけど男性の方はダイヤがないんだ。
ほんとだ…はめる方がドキドキするかも…
「…うん、伊織もすごく似合ってる!」
見た感じだけじゃなくて、ゴールドが伊織のポジティブさ、プラチナが伊織の真面目な人柄を表している様に思えて。
「…へぇ、つけ心地いいっての、なんかわかる。指環ってしたことないんだけど、邪魔に感じないもんな、これ。よし、じゃあ次は婚約指環だな」
「え、私はほんとに…」
伊織は遠慮する私の頬に手のひらを添えた。
「俺があげたいの。…俺の愛の証だから、乃愛にもらって欲しいんだ」
優しい眼差しでそんな風に真剣に言われたら嬉しすぎて……「高いからいらない」なんて言えなくなる。
流行に疎い私でも聞いたことのある【ink:white】(インク ホワイト)を代表とする有名な【ink:】(インク)ブランドの高級なお店。
高級ジュエリー店てそこかしこがキラッキラしてるかと思っていたんだけど、ここは壁も内装も優しいホワイト系とブラウンで設えてあって、上品で落ち着いたラグジュアリーな空間が、より高級さを感じさせている。
そして、上品なのに気さくな女性の店員さんも必要以上の干渉はせず、私達の好きなように見せてくれている。
…ていうか……
確かに昨日、伊織が「近い内に選びに行こう」とは言ってたけど…
その翌日に来ちゃう!?
ほんとに伊織の行動力って半端ない。
ふふっ、大好きだなぁ。
この慣れない高級感に気圧されてそわそわする私とは反対に、伊織はウキウキとショーケースを覗き込んでいる。
伊織は大人だし、過去の彼女さん達にも買ってあげてただろうから、こういうお店に慣れてるんだろうな…って……ちょっとだけ胸がチクチク。
だから。
「俺、ぶっちゃけ貴金属店て初めて入るんだよなー、結婚指環も買わなかったから」
とさらりと話す伊織に驚きを隠せなかった。
…全然気圧されてないのは興味津々だからか。
そう思ったらチクチクがどこかにいっちゃった、ふふっ。
「乃愛はしてたの?指環」
「…うん。でも乗り込んだ時に叩きつけて返してきちゃった」
「ふ、すげぇ。こんなに穏やかで優しい乃愛がそんなことしたんだから、びっくりしただろうな」
「そうだね、驚いてたね」
「乃愛、手ぇ見せて?…んー……乃愛はゴールドの方が似合うかなー。でもプラチナも捨てがたいよな」
ショーケースと私の手を交互に見る伊織につられて、私もショーケースを覗いてみた。
「わぁ……キレイ…」
キラキラとまばゆく輝くたくさんのリングに圧倒されてる私の横顔を見た伊織が「初めて見る顔」ってニコニコしてる。
確かにジュエリーを見てここまで胸を高鳴らせるのは私も初めて。
「あ…かわいい…」
一つのリングに目が止まった。
それは、ピンクゴールドとプラチナが重なるデザインのリングで、センターに小さなダイヤがいくつか並んでいるもの。
シンプルなのに華やかで可愛くて。
「もしかして、あれ?ゴールドだけどちょっとピンクっぽいやつ」
それを指差して伊織が言い当てた。
「うん!よくわかったね」
「実は俺も乃愛に似合うんじゃないかと思ってたんだ」
って眩しい笑顔で言われて、胸がきゅうって鳴った。
「合わせてみます?」
女性の店員さんが笑顔で声をかけてくれた。
「はい、お願いします」
「こちらのペアが、同じデザインでゴールドになるんですけど、こちらもお出ししますね」
と店員さんは伊織のリングも出してくれた。
伊織が私の手を取り、リングをはめてくれるのが嬉しくて、そしてくすぐったい気持ちになって、笑みがこぼれた。
「…なんかドキドキすんな、これ」
って伊織が珍しくはにかんでる。
そしてリングが収まった私の手を見ると、またあの眩しい笑顔。
「ん、似合う!すげぇ可愛い!乃愛はどう?つけてみて」
嬉しくてドキドキする、ふふっ。
「うん、とってもかわいいし、つけ心地もすごく滑らかで…気持ちいい」
……初めて、指環をはめて〝気持ちいい〞って感じたよ?
いいものはどこか違うんだね。
「じゃあこれに決まりだな。あ、俺にもはめて?」
って言われたから、目の前に出された伊織の長くてきれいな指に、ゴールドとプラチナが重なったリングを通す。
あ、同じデザインだけど男性の方はダイヤがないんだ。
ほんとだ…はめる方がドキドキするかも…
「…うん、伊織もすごく似合ってる!」
見た感じだけじゃなくて、ゴールドが伊織のポジティブさ、プラチナが伊織の真面目な人柄を表している様に思えて。
「…へぇ、つけ心地いいっての、なんかわかる。指環ってしたことないんだけど、邪魔に感じないもんな、これ。よし、じゃあ次は婚約指環だな」
「え、私はほんとに…」
伊織は遠慮する私の頬に手のひらを添えた。
「俺があげたいの。…俺の愛の証だから、乃愛にもらって欲しいんだ」
優しい眼差しでそんな風に真剣に言われたら嬉しすぎて……「高いからいらない」なんて言えなくなる。