人生最悪の日にその物語は始まった。
『今時親同士の決めた相手と結婚するなんてつまらないだろ? だから自由にしてあげるよ――』
王太子と聖女の婚約パレード開催中で、周囲が幸せいっぱいの最中に婚約破棄を告げられた平凡な伯爵令嬢セシリー。しかし不幸は続くもの。続いて人さらいに攫われ、どん底の彼女を救ったのは並外れた美貌を持つ魔法騎士団の騎士団長だった。
結局セシリーは彼にも手ひどい言葉を吐かれ、喧嘩して逃げ出してしまうのだが、話はそこで終わらない。
なぜか始まった騎士団のお世話係としての忙しい新生活。そしてこの国に危機が迫っていて、まさか自分が国を救う力を持つ聖女の血を引いているだなんて……?
目次
- 第一章 セシリーと魔法騎士
- 〈プロローグ〉
- 記憶に残る婚約破棄でした
- 変えたい自分
- 魔法騎士団の愉快な仲間たち
- 親切な新米騎士
- クライスベル邸への来訪者①
- クライスベル邸への来訪者②
- 受付係の勘違い①
- 受付係の勘違い②
- 騎士たちのお世話係
- 炊事班長任命!
- 密かな団長の趣味(リュアン視点)
- マイルズとの再会①
- マイルズとの再会②
- メイアナの喫茶店①
- 騎士として(キース視点)
- メイアナの喫茶店②
- セシリーという娘(リュアン視点)
- リルルとラケル①
- リルルとラケル②
- 弱い自分(リュアン視点)
- ラケルのお師匠様
- 舞踏会を控えて
- 誘拐事件①
- 誘拐事件②
- 和解とこれから
- 愚かな企み
- 第二章 月の聖女
- 父の心配
- 昔の記憶
- なすべきこと
- 魔法の特訓①
- 魔法の特訓②
- 父の想い(オーギュスト視点)
- 隣国への墓参り①
- 隣国への墓参り②
- 王太子ジェラルド
- セシリーを追って
- ガレイタム王宮にて
- 離宮とふたりの令嬢
- 昔日の話
- 月精の森
- マーシャの秘密
- キースと王太子
- 胸に抱えたもの
- ラナ・トルシェ(リュアン視点)
- 娘の幸せ
- パレードを控えて
- 決闘と最後の別れ①
- 決闘と最後の別れ②
- 残してくれたもの
- 最終章 節刻みの舞踏会と封印の終わり
- 魔法騎士団への帰還
- クライスベル商会の異変
- 変わってしまったラケル
- ティシエルの訪問
- ルバート救出作戦
- 魔法のオルゴール
- 応えられない想い
- 太陽の聖女
- 公爵家嫡男の破滅
- 芽生えた気持ちと怖れ
- 節刻みの舞踏会①
- 節刻みの舞踏会②
- 目覚める暗黒(やみ)
- やるべきことを
- 守りたいから
- 大事なものを懸けて
- 行ってきます
- エピローグ