【SR】だるまさんが転んだ
第六章
ヴェンが目指していた地は、それから一つ半山を越えた所にあった。


四方を金網で囲まれた宮殿。


それは屋敷と呼ぶには物々しく、基地と呼ぶには豪華すぎる作りだったのだ。


高く聳える金網の上には、茨のような鉄線が巡らされている。


入り口は正面に一つ。


肩からライフルをぶら下げた者達が、直立不動で周囲に視線を張り巡らせている。


それから等間隔で、同じ格好をした警備兵が金網の下に居る。


その奥には、この国の寺院を模したような作りの建物。


山々に囲まれた地にも関わらず、これほど大きく豪華な建物を建てられる事に、俊介はダルコの権力の一端を見た気がした。


「シュンスケ、行くぞ。」
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