俺は朝都でなく、森高君と呼ばれる
存在になってしまった。





森高 朝都(もりたか あさと)は
明るくさっぱりした性格で、
どこにいても誰といても
楽しめるような性格だった。


*


そんな朝都が大学でたまたま再会したのは、
子供の頃に仲の良かった
渡守 あかり(わたしもり あかり)。


あかりの転校以来、顔を合わせておらず、
元気で明るかったはずのあかりは
別人のように大人しくなっていた。


朝都でなく「森高君」と呼ぶあかりは
ほんの小さく笑って目を伏せていた。


自分の知るあかりはもういないし、
あかりの知る自分の姿ももうなかった。






執筆期間 2023.07.30~09.16

表紙イラスト:たろたろ様



あらすじ





浅蘇芳(あさきすおう)とは、
明るく渋い紅色のことです。

蘇芳は弦楽器の弓の素材としても使われていますが、
蘇芳染という染物にも使用されています。

しかし残念ながら、色褪せしやすい色として
認識されているようです。

可愛らしい色ですが、
儚げなイメージがピッタリかなと思い
タイトルを名付けました。



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