「俺はあなたを許さない」
そう言って彼は自分を殺した。
多くの人を殺した冷酷無慈悲な女王。最期には奴隷の男に殺された。
それがルティアの前世だった。
生まれ変わった彼女は反省して、奉仕活動に勤しむ日々を送っていた。両親はそろそろ結婚を…と考えているが、ルティアは誰とも結婚するつもりはなかった。
しかし前世の王配であったリーヴェスと再会して、周囲から彼との結婚を強く勧められてしまう。彼も自分と同じく前世の記憶を有しており、もう一度やり直したい、と言い出して…
強引に迫るリーヴェスを助けたのは、第三王子テオバルト――なんと自分を殺した男だった。
そしてリーヴェスだけでなく、テオバルトもまた自分と結婚してほしいと求婚してきて……。
- あらすじ
ルティアの胸には火傷の痕がある。これは罪の証だ。前世、彼女は苛烈な政策で民を虐げた女王だった。生まれ変わった彼女は反省し、将来は誰とも添い遂げるつもりはなく、修道院に入ることを望んでいた。そんなある日、前世王配であったリーヴェスと再会する。彼はルティアに結婚の話を持ちかけ、断っても強引に迫ろうとする。そんなルティアを第三王子テオバルト――前世の自分を殺した男が助けるのだった。
目次
- 1、罪の証
- 2、前世
- 3、優しい家族
- 4、義務
- 5、王妃のお茶会
- 6、予期せぬ再会
- 7、王配
- 8、求婚
- 9、家族の反対
- 10、楽しめない舞踏会
- 11、二度目の再会
- 12、女王と奴隷
- 13、王子に生まれ変わった奴隷
- 14、リーヴェスとの違い
- 15、王子の襲来
- 16、ゆっくりと
- 17、最後の思い出として
- 18、告白
- 19、引き留める
- 20、会いに行かされる
- 21、ずっと探していたもの
- 22、別の道
- 23、離宮
- 24、別れの記憶
- 25、リーヴェスの狂気
- 26、前世の罪
- 27、違う存在
- 28、炎と共に
- 29、女王の義務
- 30、王配の裏切り
- 31、狂った女王
- 32、共に地獄へ
- 33、目覚め
- 34、生まれ変わっても
- 35、王配の娘
- 36、晴れて婚約者に
- 37、前世わたしを殺した男は