ローアル王国の王子は「天使」だと絶賛されている。

人形のように整った顔立ちと、民衆に寄り添うような笑顔。

妹のシャロンは幼い頃から、そんな兄を見て育ってきた。
「王女」としての振る舞いを求められる一方で、兄が自由に馬に乗ったり、剣術を習っているのが羨ましいと思っていた。女性にしては背が高いこともコンプレックスだったシャロンは、いつも自分が「弟」だったら良かったのにと思っていた。

ーーそうすれば、あの人ともっと親しくなれたかもしれないのに。

兄の婚約発表を兼ねた晩餐会、義姉の勧めもあって渋々ドレスアップすることになったシャロン。


いくらお酒が入っているからといって、あの人が「君と結婚したい」なんて言うなんて。

少し前に私のことを"弟にしか見えない"と言ったくせに……!

挙句に「君はどこのお嬢さんかな? 」なんて聞く始末……もしかして、別人だと思ってる!?


※ 『その恋は解釈違いにつき、お断りします〜推しの王子が私に求婚!? 貴方にはもっと相応しいお方がいます!〜』の、登場人物のお話です。どちらかだけでもお楽しみいただけると思いますが、そちらも読んで頂けたら嬉しいです。

※アルファポリス、小説家になろう、ツギクルにも掲載しています。

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