年上の彼女

真面目なクラス

「お…はようございます」

先生が恐る恐る教室に入ってきた

クラス全員が椅子に座り
静かに担任の登場を待っている姿に

先生は驚いている

だって
約束しただろ

言うことを聞かせるって

俺は席から先生を見た
先生は
俺と目を合わせると
すぐに教壇に立ち
朝礼を始めた

「あの…出席をとります」

「びびんなって
俺ら、佐伯 悦子先生を応援してんだぜ」

男子の一人が
怯える先生に声をかける

「ま、他の先生には従わねえけどな」

「つうか
他の先生を見返そうぜ」

「特に学年主任
俺、あいつ大嫌い」

「私も!
悦子もこれで学年主任を見返せるじゃんね」

クラス中が先生の味方となった

とくに俺は何もしていない
…というは嘘かもしれないが

ちょっとベテラン教師を驚かそうって
言ってみただけだ

クラス奴らのほうが
盛り上がった

先生は嬉しそうにほほ笑んだ

その顔も可愛い

だけど
やっぱ困っている顔のほうが
俺は好きだ
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