年上の彼女
一人の生活

親の襲撃

「お前という男は
何度私の顔に泥塗らせればわかる!」

アパートのドアを開けるなり
父親に殴られた

「何するんだよ」

「学校から連絡があったぞ
教師を無理やり抱いて
言うことを聞かせていたなんて
恥ずかしかったぞ」

「別にあんたが
恥ずかしがることはないだろ
俺はあんたに捨てられたんだ
俺が何をしようが関係ない」

「この馬鹿息子が!」

父親にまた殴られた
首根っこを掴まれて
外に出されると
階段から突き落される

俺は二階から一気に地面へと
落ちて行った

体中に痛みが走る
起き上がると
目の前に真っ青な顔をしている
悦子がいた

「戸田君?」

段ボール箱を持っていた悦子は
地面に荷物を置くと
俺の肩を抱いた

「どうして?
怪我してない?」

「先生…何で?」

「荷物を持ってきたの」

「処分していいって
言ったのに」

「それより怪我は?」

「先生ですか?
こんなバカ息子のために
申し訳ありません」

「え?
あ…戸田君のお父様ですか?」

悦子は立ち上がると
深々と頭を下げた

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