月と太陽の事件簿1/月明りに照らされて
達郎はストーブに手をかざしながら言った。
「どういうこと?」

「難しいことじゃない。レミが清水一利と同じ立場に立ったらどうするか考えればすぐに分かる」

あたしは想像してみた。
同じ立場…あ、そうか。

「普通なら自分で救急車を呼ぶよね?」

「そう。わざわざ他人に頼む必要はない」

「じゃあここへ電話したのは…」

「清水一利が転んで死んだように見せかけたかったんだろう」
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