くの一反省帖2〜カステラが待ってる〜
■プロローグ■

福岡藩の長崎警備事情

"カンカンカン"

火事を知らせる鐘の音がやかましい

今夜もどこぞの賊が火付けしたらしい

火事になると野次馬が集まるのが相場だが、それに便乗した犯罪も横行するってのもよくある話だ。

江戸時代唯一の貿易港長崎を警備するのは、我等が福岡藩であるのだが、連日の騒ぎにより信用ガタ落ちである。

なんせ隣の佐賀藩から警備を引き継いで今日まで約半年の間に火付け、強盗、殺し…ありとあらゆる犯罪が重なり長崎の街は違う意味で眠らない街になってたからだ。
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