「今宵、東宮様のお召しがございます。」


遣いの女房の知らせに、私の周りの女房(女の召使い)たちが沸き立ちます。


「…姫様?

お顔の色が優れませんが」


私の異変に気づいたのは、乳母でした。


「大事ありません。

少し…緊張しているだけです。」


すると乳母はやんわりと微笑んで、

「不安なのですね。

大丈夫ですとも、姫様は私の見込んだ姫様なのですから。

堂々としていらっしゃいませ。」

と言いながら私の手を取りました。


本当は、もっと詳しく、何をして何を話せば良いのか教えて欲しい…

けれどそんなみっともないことは出来ません。

高貴な姫としての気品を保たなくては…



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