平安物語【完】



日が沈んでから、数人の供を連れて東宮様のいらっしゃる昭陽舎(梨壺ともいう。東宮の御座所)へ参りました。


緊張で頭がぼうっとして、どこをどう進んだのかさえ覚えておりません。


気がついた時には、東宮様の御寝所の前に立っておりました。



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