平安物語【完】

*新枕




―…姫宮御入内の前夜、私は例によって尚仁様のお召しを受けてご寝所に侍っておりました。

今日は八月十五日…中秋の名月の夜です。


尚仁様は、熱く激しく…切ない愛を全身で受けてぐったりしていた私を、いつぞやのように抱きかかえて格子を上げ、月を眺めたのでした。

なんとまぁ月の美しいこと…



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