実の弟に恋をしました。
6..二つの赤い印
「やだっ!やめ…んっ」
乱暴に塞がれる唇。
雄司は、自分のしていたネクタイをほどき、慣れた手つきであたしの両手首を縛り上げていく。
「んんんーっ!!」
誰か──
誰か助けて!
無理矢理割り入ってきた雄司の舌が、あたしの口内を犯していく。
こんなキス、知らない。
怖い…キモチワルイ。
唯一自由の効く足で、必死で雄司の体を蹴ってみても、ビクともしなくて。
それどころか、余裕たっぷりの笑みであたしを見下ろしてくる。