【実話】ありがとう…。

‡第五章 限界そして別れ‡

何日かして、たかさんの体調は良くなった。


けど…暫くたったある日―。


又、熱が出る。


そんな日を繰り返す。


相変わらずたかさんは、病院へ行かない。


行かないんじゃなくて、行けなかったんだ。


私は病院で働いて居た事もあって、熱が出たら

「望、薬貰ってくれないか?」


初めのうちは、私の病院で薬を出して貰ってた。


私自身、病院で働いていたから、診察料はかからない。


でも…薬局で出して貰う薬に関しては、薬代がかかった。


たかさんはあの日以来、よく熱を出していた。


ヤクザ関係の仕事とはいえ、お金になる…でも熱の為に行けないことが多くなっていった。


行けないって事は、お金が入ってこない。


次第に生活が苦しくなる―‐。


携帯料金を払えなくて、繋がらなくなる。


「必ず返すから、金貸してくれない?携帯繋がらないと困るからさ」


「そうだよね。携帯繋がらないと困るよね。分かった」


お母さんが働いているとは言え、パートの給料ではやっていけない。


公共料金が払えなくなる。


そんな事がどんどん続くようになっていく。


お金は、少し返してくれても、又借りるの繰り返し。


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