Bitter Love〜苦くて切ない恋〜

恋に落ちる

――失恋した。

つきあっていた彼氏に振られた。

理由は、彼氏に好きな人ができたこと。

相手は、同じゼミの女の子。

友達じゃないってことが、唯一の救いだ。


「もう一杯」

あたしは空っぽになったグラスを、目の前のバーテンダーくんに渡した。

「雪ちゃん、飲み過ぎじゃない?」

バーテンダーくん、小沢芯(オザワシン)が苦笑しながら言った。

芯は、あたしよりも2つ年下の男。

あたしがよくここにくるから、すっかり知り合い同士になってしまった。

「別にいいじゃん」

すでに酔っぱらいになっているあたしは、芯をにらんだ。

「あたしみたいな女、誰もやんないと思うよ」

あたしの言葉に、芯はため息をついた。

「3年もラブラブしてたのに、ポイ捨てって…」

自分で言ったとたん、涙がたまってきたのがわかった。

このまま涙と一緒に、あたし自身も流れてしまえばいいのに。

そう思った時だった。
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