Melty Kiss 恋に溺れて
1.大好きなあの人を想う
◇都Side◇
「アンタね、こんな路地で麻薬なんてうりさばいて良いと思ってんの?」
私の怒声に、金髪ピアスのその男はあぁあん?と、不機嫌そうな顔をあげた。
麻薬を売りつけられそうになっていた、弱気な男子高校生がその隙に脱兎の如く逃げ出すのを、私は視線の端で捕らえていた。
「てめぇのせいで客に逃げられたじゃねぇかよ」
ぁあん?と。
金髪ピアス、長身のその男がダメージジーンズのポケットに麻薬を押し込んで私にガンをつけてきた。
学校指定のブレザー姿の私を見て、彼がいきり立つのも無理は無い。
私だって出来ればこんな身元のばれる服装で、麻薬の取り締まりなんてしたくはないのだ。
でも。
そうしなきゃいけないときだってあるし。
今、まさにそのときだったのだから仕方が無い。
「どう落とし前とってくれるんだよ、このガキがっ
ああ? その身体でとりあえず、前金だけでも払ってもらおうか?」
怒りに燃えた目をした、ちょっとヤバめの男の腕が私の胸元に伸びてくる。
ばしりとそれを、ぎりぎりのラインで学生カバンで叩いて落とし、私はひたすらに走り出した。
夏の暑い日ざしがじりじりと、乙女の肌を焦がしていく。
冗談じゃない!
私は必死に足を進めた。
「アンタね、こんな路地で麻薬なんてうりさばいて良いと思ってんの?」
私の怒声に、金髪ピアスのその男はあぁあん?と、不機嫌そうな顔をあげた。
麻薬を売りつけられそうになっていた、弱気な男子高校生がその隙に脱兎の如く逃げ出すのを、私は視線の端で捕らえていた。
「てめぇのせいで客に逃げられたじゃねぇかよ」
ぁあん?と。
金髪ピアス、長身のその男がダメージジーンズのポケットに麻薬を押し込んで私にガンをつけてきた。
学校指定のブレザー姿の私を見て、彼がいきり立つのも無理は無い。
私だって出来ればこんな身元のばれる服装で、麻薬の取り締まりなんてしたくはないのだ。
でも。
そうしなきゃいけないときだってあるし。
今、まさにそのときだったのだから仕方が無い。
「どう落とし前とってくれるんだよ、このガキがっ
ああ? その身体でとりあえず、前金だけでも払ってもらおうか?」
怒りに燃えた目をした、ちょっとヤバめの男の腕が私の胸元に伸びてくる。
ばしりとそれを、ぎりぎりのラインで学生カバンで叩いて落とし、私はひたすらに走り出した。
夏の暑い日ざしがじりじりと、乙女の肌を焦がしていく。
冗談じゃない!
私は必死に足を進めた。
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