私の病気~摂食障害(拒食症)
再び苦しみの世界へ

自分ではもう、どうしてまた発病したのかはあまり覚えていない。後でわかったことだがあれは病気が治ったのではなく『寛解(かんかい)』と言って病気が一時的に軽快した状態らしい。
再び食事の量をコントロールしはじめていた。しかし、今度は我慢出来なくなっていた。逆に手当たり次第食べていた。少しだけで止めておこうと思って食べはじめても頭の中で〝スイッチ〟が切り替わり「やっぱりたくさん食べて吐き出そう。」となってしまうのだ。大量に食べても嘔吐してしまうからまた、食べたくなる。もう、1日中過食嘔吐し疲れはて眠る。そのうち食べ物だけでなく水分を身体に入れてやるのも嫌になり水分も吐き出すようになった。
今までお世話になっていた病院の医者はなんとなく話しづらかったので病院を変えることにした。
新しい病院では余り入院することはなく、毎日、点滴に通っていた。それでも短い期間で入院することはたまにあった。この頃は身体の状態はあまりよくなかったが活発に活動していて、点滴を処方してもらって、それを持って子供の頃から行き付けの青森の温泉に行きそこに常駐している看護師さんに点滴を刺してもらったりしていた。

ところが身体の状態が急変した。ちょうど大晦日の夜のことだった。心臓が苦しく身体が重い。パジャマさえ重く感じ脱ぎ捨てていた。宿泊していた温泉は市街地から一時間以上離れた山奥でなかなか救急車も来なかった。やっとのことで病院に到着した。脱水がひどく血管も細くなっていたので足の付け根の動脈から採血された。結果をみて医者は驚き、すぐにICUに入院させて、いろんな処置をしたが、その時はすでに意識が朦朧としていて自分では何も覚えていなかった。
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