ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜
EPISODE#8

その晩。


私達はそれ以上体を重ねることをせず、


ベッドの上に横になって、明け方近くまでただ話をしていた。




ウシオとサキさんの結婚準備は着々と進んでいるらしい。



それでもウシオは彼女と別れて、私と人生やり直したいというようなことを何度も口にしていた。




本音を言えば私だってウシオと同じ気持ちだ。




…けど、


トモシと知り合って“男の言葉ほど信用できないものはない”ということを学んでいた私は、


ウシオのそれも心から信頼することができなかった。




いずれどこかで泣かされるんだったら、最初から期待しない方がいい…。




そんなことをぼんやり考えていたら、


私はウシオの言葉を子守唄に、いつしか眠りについていた。
< 155 / 261 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop