ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜
EPISODE#2
日曜日の午後。
前日トモシと会っていた私は、その日約1週間ぶりに劇団の稽古へ行った。
トモシにSMのようなプレイを強要され、
心だけじゃなく体にもつけられた傷を右手でさすりながら稽古場に入ると、
みんなが個々にストレッチや発声練習を始めてる中、
ウシオが声をかけてきた。
「マ・ユ・コ!」
「あ、ウシオ…。おはよー」
ウシオはニタニタ笑っていた。
「な、何…?」
「へへー」
「…ねぇ、気持ち悪いよ、その笑い…。何…?」
「へへー。俺見ちゃった」
「え…?」
「見たんだよ、きのう」
ウシオは不気味な笑いを続けていた。
「だから何を?」
「ここで言ってもいいの?」
「何…?自分から言っといて今更…」
「じゃあ、言わせてもらうけど…」
適当な場所を見つけてストレッチを始めた私にウシオが言った。
「きのうマユコ、ラブホ行ってただろ?」
ウシオの無配慮な言葉に、仲間の視線が一気にこちらに集められた。