キミと、世界の果てまで。
少し様子がおかしいあたしにレンは気付いたらしく、眉をひそめる。
「どうした?」
「え?いや、何でもないの…」
手をヒラヒラと振って、「何でもないよ」アピールをしながら、あたしは斜め後ろから送られる視線に、ただ耐えるしかなかった。
そう―――寛司の視線に。
あたしと話しているレンに嫉妬しているのか、はたまた物凄く不機嫌なのか、どちらにしろ今寛司には関わらない方がいい。
そう胸に誓っていると、何も事情を知らない愛海ちゃんが、無防備な笑顔を振りまきながら、寛司の方を指さしていた。
「寛司くん、ものすっごく不機嫌だよ?」
ビクン…!
愛海ちゃん、その言葉、今は禁止ワードだってば…!
「そうか?普通だけど」
「そうかなあ?なんだかオデコ辺りに血管が浮き出てる気がするんだけど」
だから…!
愛海ちゃん、二回目だけど、そこを指摘しちゃいけないよ…!!
.