キミと、世界の果てまで。



尚も、レンは続ける。




「正直俺もショックだった。だけど、この世界を救えるのはミライ、お前しか居ないんだ」



「―――ッ…」



「俺達が道を誤ったら、それこそこの世界は愛を無くし、憎しみに溢れ、生きる価値など無い絶望の世界になるんだ。

だからミライ―――お前は何としてでも、先に進むんだよ」




愛海ちゃんの為に、あたしは身体を張ってでも、前に進まないといけないんだ。


そうだった。あたしの使命はそんな重要なモノだったんだ。



もしかすると、お父さんやお母さん、朱里でさえ争いに巻き込まれ、血を流し倒れているかもしれない。


愛を失っている人々は、他人を傷付ける事など容易い事となっている。


感情が破壊し、何を考えているのかも分からない。



だけど―――


だからこそあたしは前を向いて、走らなければならないんだ。


決して振り返ってはいけない。前だけ向いていないとダメなんだ。




「…あたし、全力で戦うから」




最期の決戦の相手、それは紛れも無く―――愛を失い暴走している、人間だった。




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