キミと、世界の果てまで。



そう問い掛けた瞬間、あたしが支えていたクロスの杖が、ほのかに光り出した。


杖は熱を持ち始め、あたしは思わず手を離してしまう。




「え…?」




クロスの杖が光を放ちながら、変形を始める。見る見るうちに人間の形へと変化していく。


そして纏っていた光が消え去り、あたしの目の前には、見覚えのある美少年、いや―――夢の中でしか逢う事の出来なかった“人間版”のクロスが立っていた。



突然の展開に、言葉を失う。

使命を終えたあたしに、会いに来てくれたのだろうか。




「ミライ、チャームは全部封印出来たな。今までよく頑張った」



「クロス…」




ズッシリとしたクロスのオーラに圧倒されるまま、あたしはクロスの名前を呼ぶ。


現実世界で初めて見るクロスは、夢の中よりも華麗で、綺麗で、艶やかだ。


クロスは凛としているレンと、呆然としている寛司に視線を向ける。



レンはクロスと面識があるらしく、フッと表情を和らげた。


思い出してみれば、クロスのペンダントを与えてくれたのは、他の誰でもないレン自身。きっとレンとクロスは何かしらの接点があるのだろう。




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