【短】Eqeal
本音
「トゥルルル…トゥルルル…」


先生と別れてすぐ、俺は携帯を耳にあてていた。

とりあえず…番号を変えてはなさそうだ。


緊張でいっぱいすぎて、額が汗ばむ。




『……はい?』


「あ、美羽?」


平静を無理矢理装ったことが、美羽にはバレバレな気がする…。


『直樹?久しぶりだね、どうしたの?』


反対に美羽は、本当に自然体。

ただ…どうしたの?って聞かれて、用事がないと電話してはいけない関係なのか…って切なくなってしまった。


「あのさ…今から会えない?」


『え?今から…?』


「駅前のカフェにいるから…じゃ」


昔よく行ってた店だから、美羽なら分かるはず。

用件だけ言って電話を切った途端、ため息が漏れた。


……美羽がいないと、俺はこんなにも弱い。
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