―――バタン。


「はあ……マジなんなんすか、アレは」


会議室を出た瞬間、目の前で盛大にため息をついて見せたのは、見るからに疲れ切っている真山くんだ。


「でも、言われたことはもっともだよ。もう一度案を練りなおそう」

「課長はなんでそんな冷静なんですかー!俺、少しも言い返せなかったのが悔しいっす!」

「まあまあ」


騒ぐ真山くんをなだめるのは、時東課長。
なぜかその構図が、最近はとてもしっくりきていた。

課長になら、真山くんを任せて安心なんだ。


「ま、とりあえず飯にしよう。腹が減ってはなんとやらってね」


そう言って、にこやかに微笑んだのは柘植さん。
彼こそ飄々としていて、あまりつかめない。

あたしはそんなやり取りを後ろについて歩きながら眺めていた。


「あーあ、こんな時久遠センパイがいてくれたらなぁ。偉そうに座ってるだけの奴なんか言い負かしてくれるのに。渚さん! 久遠センパイ最近どうしたんすか!」

「へ……」


いきなり話を振られ、完全に不意をつかれ気の抜けた返事をしてしまった。


「あ、あたしに聞かれても……」


しどろもどろになりながら、真山くんのジトーッとした視線を受け止めていると、時東課長が彼の肩をポンとたたいた。

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