極上な恋をセンパイと。

センパイが、笑ってる……。
あたしがずっと、見たいと思ってた……あの笑顔で。

胸がギュって、まるで鷲掴みにされたみたいだ。


喉の奥が痛いほど締め付けれる。


真っ赤になって今にも泣きだしそうなあたしに、センパイはふと真剣な瞳を向ける。



「ほんとに嫌なら、ちゃんと拒めよ」



真っ黒な前髪の向こう側。
茶色がかったその瞳が、揺れる。


手首を掴んでいたセンパイの手は、いつの間にか優しくあたしの頬を包み込む。
それはそのまま、首筋にまわり髪の中に入り込む。



「……そんなの……」

「?」

「そんなの、ずるい、です……」

「そうだな……俺、ズルいな」



掠れた声でそう言って、苦笑したセンパイは瞳を細めた。



「センパ……」



もう、その先は言わせてもらえなかった。

唇に押し当てられた、センパイの熱はそっと触れて、すぐに離れた。


至近距離で見つめ合い、今度は確かめるように重なり合う。



必死に爪先立ちして、センパイのキスを受け止める。


センパイとの初めてのキスは、コーヒーに注ぎ込まれたクリームみたいな、ほんのり苦くて、でもすごく甘ったるいキスだった。




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