恋スル運命
海偉の仕事
「私は会いたくなかったわよ!仕事中だから失礼するわ」




ツンっとそっぽを向いて今度こそ売り場へと戻った。




『沙羅先輩、あの人この間の?いつの間に職場教えたんですか?』




怪しい人を見るみたいな視線を投げ掛けながら萌花が聞いてくる。




「私は教えたりなんかしてないわよ」





そう言って考える。




教えたとすれば大輔さんか内田さんしかいない。





余計な真似をしてくれちゃって〜っ!!





『なんかストーカーっぽいですよね。警備員さんに一応連絡しておきましょうか?』




萌花の言葉に、少し考えて頷いた。




うん。何かあってからじゃ遅いもの。




『自分で連絡するわ。不審な人物がいるから注意して見ててほしいって連絡しておく』




売り場には内線電話がないからレジのあるカウンターへと向かいかけた時、萌花が私の腕を叩いた。





『ちょっと見てください!あれ社長じゃないですか?』





その言葉に振り向くと、海偉へと社長が近付いていって何か声をかけている。





嘘っ。社長自らが不審者の対応をしに来たの!?




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