恋スル運命
記憶
『何その女っ!!むかつくっ!!!』




「み、美緒っ声が大きいよ!」




晴れた平日の昼下がりのカフェレストランに似つかわしくない声を張り上げて周りにジロジロと見られて焦る。




久し振りに美緒と休みが合ってこうしてランチがてら街に出てきた。




会うといつもお互い、近況報告しながらダラダラと話をする。




美緒の口から聞かされるのは大輔さんの事がほとんど。




忙しい大輔さんとは会う機会が少なくて寂しいのか、上手くはいっているようだけど、ちょっと愚痴る美緒の話を小一時間ほど聞かされる。




『沙羅は最近どうなの?良い出会いとかあった?』




美緒のこの言葉で、海偉との事を話し始めたんだけど。




まず海偉の名前を出した瞬間、『はあっ!?』と驚かれた。




まぁ、無理もないよね。




美緒も私も、あの合コンで海偉の印象なんて最悪なヤツってインプットされちゃってたし。




もう会いたくもないって美緒に言ってたしね。そんな私の口から海偉の名前が出たらそりゃ驚くよね。




驚いて興奮してる美緒を治めて話し続けていって、
神田さんとのやり取りを話したら、美緒が大声をだしちゃったんだ。





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