桜、ふわふわ ~キミからの I LOVE YOU~
窓の下、つまり植え込みの裏を指さす。


そして男子に囲まれたイッペー君はまた雪まみれ。


その瞬間、休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。


頭に雪が乗っかったまんま、イッペー君は恨めしげにあたし達を見上げた。


「裏切りものめ!
大木戸~! サクラ~! お前らぁ、バツとして放課後、国語準備室来いよ」


「は? え? あたしも?」


キョトンとして自分の顔を指差すあたしに、イッペー君は一瞬だけフフンって感じの不敵な笑みを浮かべた。


「っていうか、何のバツよー?」


「いーから、来るべし」


いつものように面倒くさそうにそう言うと、イッペー君はパンパンと雪を払い落としながら校舎の中に消えていった。


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