「大変失礼なこととは解っていましたが、平瀬さんを探すために…少し…調べさせてもらいました。」



え?
調べた?

困惑する私…―

蔵之助さんが頭を下げる


「気を悪くされたのは無理もない…。
ただ、平瀬さんの今まで歩んできた道は余りにも険しいものだった事を知ってね……―。助けていただいたお礼も兼ねて力になりたいんだ。」



私を見つめる真剣な眼差し


蔵之助さんが知った私の過去と現状…


「それは…ありがたいですけど…。」


言葉に詰まる私



「貴女は生まれてまもなく、施設に入り…。」


「気を遣っていただかなくても結構ですよ。

私は生まれてすぐに両親に捨てられた。
そして、施設に入り、それからは里親に引き取られて…。」


「その里親の元で君がされてきたことに対し、私は許しがたく…耐えられない。
里親の元から去った今も…大学の学費と生活費を払うためにバイトに励む日々。
平瀬さん、君は今まで幸せなことはありましたか?
今、一番幸せなことはなんですか?」


私は…


私の今までで…幸せだったこと…―?



考えて


見つめ直した私の中には





何もなかった……―



「……っ!」


自然と頬を涙が伝わる


蔵之助さんがそっと私の手にハンカチを差し出した


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