幸せの契約
人生初のターン


しっかりと支えられる私の体


ドキン



ドキン



時々見せる犬居さんの真剣な眼差し


凛とした横顔


長い睫毛が瞳を隠す



ドキドキ


ドキドキ


頭の中で鼓動が響く


タンッ…


一曲丸々踊りきった私は息が上がる


犬居さんは右手を胸に当てて丁寧に挨拶をした


「お見事でした。」


「はぁはぁ…。
犬居さんのリードでなんとかなりました。」


「少し休みましょうか。
お水をお持ちいたします。」


犬居さんに促されて近くの椅子に座った


楽しかったぁ

ダンスなんて初めてだったけど


犬居さんがいてくれたか…



バーン!!


突然
大きな音が部屋に響きわたった
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