Sweet Kissとラブカプチーノ【LOVEドロップス企画参加作品】
極上の幸せ
「あ……」
ノックもせずに入ると、そこにはマスターと柊二がいた。
マスター、いたんだ……。
「おー梓ちゃん、今日は柊二をかりてごめんね」
「いえ……」
「カズの奴が人生一大事の日だっていうからさ。仕方なく変わってもらったんだよ」
そういうことだったんだね。
アタシ、柊二の話も聞かずにケンカしちゃったから全然知らなかった。
「もーマスター、早く店に戻ってくださいよ! あ、美和さんにちゃんとお礼、言ってくださいよ?」
「ああ、この歳でチョコなんてなかなかもらえねーからな」
そう、マスターがガサガサと手を入れてる袋はさっき、柊二が笑顔で受け取っていたチョコ。
「あ、それ……」
思わず声に出て慌てて口を押える。