Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】
最後の笑顔
9月も終りに近付いた。

湿気の多い夏の風か好き通った秋の風に変わる。

あっちゃんは今日もあこの隣で笑っている。

かわった事と言えば、病室を移動になった事だ。

海から病院へ帰った後、あっちゃんが少し体調を崩してしまったからだ。

前よりも少しだけ広くなった病室はちょっぴり寂しい。

前とは違って、この病室に入る時はほこりを払って、消毒をして、マスクをはめなければ、あっちゃんには会えない。

今のあっちゃんに感染症は命とりになりかねない。


――コンコン!

今日も大学から真っ直ぐあっちゃんのところへ来た。

『あこ、只今、到着致しましたー!!』

病室に入ると、あっちゃんはベッドから体を起こして笑っている。

「おー!来やがったなぁー?」

あっちゃんの体は日に日に小さくなっている気がする…

病衣から見え隠れする鎖骨が痛々しい。

でも、笑顔はずっと変わらない。
あこにそっと幸せをくれる笑顔。

今日はあっちゃんに聞きたい事がある。
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