9月。

大学の長い夏休みも終りを告げて、また忙しい毎日が始まっていた。

『今年は残暑きっついねぇ…ハァァ…』

大学の帰り道、いつものようにあっちゃんが待っている病院へ、エリと一緒に向かっている時だった。

♪…プルルルル…

あこの携帯がなり響いた。

着信 卓ちゃん

卓ちゃんから?
…珍しい…。

ドクン…ドクン…
急に心臓が高鳴り始めた。

『…もしもし?
卓ちゃ………』

「あこ姉っっ…今どこっ!?」

電話越しの卓ちゃんの慌てようがあこの体をつき抜けていく。

『…え…卓ちゃん?
どうしたの?』

まさか…
まさか…

あっちゃん…

「早く来て!早く病院…来てよっ!早く!

…兄キの容態が急変した…危ないかもし…」

ピッ!!!

その先を聞きたくなくて、わざと通話終了ボタンをおもいっきり押した。

カシャンッ…

「あこ!どーした…」

あこは手が震えて携帯を思わずコンクリートに落としてしまった。

「…あこ?」

落とした携帯をエリが拾って、震える真っ青なあこに差し出した。

…ドン!!

「えっ…あこー?」

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