幼なじみ〜first love〜
【悲しみの果てに…】

絢音―side―

暗い夜道を、走り続けた。

ただがむしゃらに。




蒼は悪くない。

何でそんな態度するんだって、きっと思ってるよね?




でも何で今なの?




美々ちゃんのこと心配じゃないの?




蒼の顔がまともに見れない。

見るのがつらい。




「…ハァ…ハァ…ッ」




走り疲れて、電信柱に寄りかかる。




何自分に言いわけしてるんだろ。

最悪だあたし。




あたしは、


“蒼に彼女ができた”



ただ、その現実を受け入れられないだけ。




「…ぅう…っ…っく…」




美々ちゃん…ごめんね。


あたし最低だよ。




蒼のことで泣いてる自分がいる。




美々ちゃんは…いま

あたしより何百倍も苦しんでるのに…




心も身体も

痛いのに、苦しいのに




今はあたし…自分のことなんて

考えちゃいけないのに……




ごめんね。




弱い自分が…大嫌いだよ…
< 133 / 1,010 >

この作品をシェア

pagetop