幼なじみ〜first love〜

蒼―side―

―――いやな予感は的中した。




やっぱりここだった。




深い海の中へと歩いて行く絢音の後ろ姿が見えた。




「絢音ーーーーっ!!」




振り向きもしねぇ。




俺は、上着を脱ぎ、海の中へ飛び込んだ。


がむしゃらに水を掻きわけて。




明け方の空は、少し白く明るくて。

水はすごく冷たかった。




絢音……!




絢音……!!




進みゆく絢音の後ろ姿に必死に手を伸ばしながら。




いま…助けてやるからな…




待ってろ…絢音…――!!




「絢音ーーーーっ!」




やっと振り向いた絢音は、波にのまれ消えた。




「あ、…あや…」




水の中にもぐりこんで、絢音の腕を必死に掴んだ。




「ゲホッ…ゴホッ…」




俺が死んでも




絢音だけは…絶対助けるからな…




「…コポコポ…っ…絢音…もう少しだから…」




俺は必死に泳いで、絢音を抱きかかえながら、なんとか砂浜まで戻った。
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