幼なじみ〜first love〜

蒼―side―

―――…ロサンゼルス。




「沙羅…今日は迷惑かけちゃったな…」




沙羅の家の玄関前で、俺はお礼を言う。




「沙羅は全然平気だよ…。それより蒼…本当に無理しないで?」




沙羅は眉を細め、心配そうな顔で、俺の腕を握った。




「ありがとな…。大丈夫だから…じゃ」




俺は沙羅に手を振り、沙羅の家を後にする。




「ひとりで抱え込んじゃダメだからねーっ!」




俺は沙羅の声に振り向かずに、歩いたまま、右手を少し上げた。




一つ一つ乗り越えていこう…




どれだけ時間がかかっても




必ず光は


見えるはずだから……




「…なんか…不気味だな……」




家に帰るまでの道、町が静かだった。風の音も聞こえない…




まるで時間が止まっているかのような…




「俺…まだ寝ぼけてんのかな…」




嵐の前の静けさとは




こういうことなのか……
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