幼なじみ〜first love〜

絢音―side―


―――……

今日は、1限から講義があった。




昨日、遊也に言われた言葉が、ずっと頭を離れない…




“蒼に好きな人がいる”




そう蒼も言ってた




蒼の隣に
あたしじゃない女の子が…?




何で…?


何で…?




遊也も知ってた……




遊也は確信してた……




“自分の目で確かめて来い…”




蒼に…彼女がいるの……?




「はい、今日はここまで…」




講義が終わり、教授が黒板を消し始める。
あたしは、周りをキョロキョロと見渡したけれど、美々ちゃんの姿は見えなかった。




ノートとプリントを鞄にしまって席から立ち上がった時、後ろから声がした。




「絢音っ!」




声のする方に振り返ると、美々ちゃんが笑顔で手を振っていた。




「美々ちゃん!…1限なんでサボったの?」




「ヘヘッ…ごめーん。絢音ちょっと話そ?」




「うん…」




美々ちゃんの様子が何だかおかしい気がする…




無理して笑ってる…?




美々ちゃんのまぶたが、少し重く腫れていた。




何かあったの……?


美々ちゃん…もしかして泣いたの…?
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