幼なじみ〜first love〜

蒼―side―

―――……




俺は、体を揺さぶられ、目を覚ました。




「………ん…?」




いつの間にか俺はソファーの上で眠ってしまっていたみたいだ。




眠たい目をこすり、起き上がる。




「………蒼っ…絢音ちゃんが帰って来ないの…っ」




沙羅が今にも泣きそうな顔で俺の胸に飛び込んできた。




「……えっ…?…絢音…?」




ボーッとしていたのに、一気に目が覚めた。




時計を見ると、真夜中の2時過ぎ……




周りを見渡すと、4つのベッドのうち、遊也しか眠っていなかった。




「……ごめん…蒼…沙羅が悪いの……どぉしよう……」




「…何でおまえが悪いんだよ?」




俺は沙羅を落ち着かせるように、背中を優しくさすった。




「絢音ちゃん…すぐ帰ってくるっていうから……飲み物でも買いに行くのかなって思ったの……でも…でも………」




「沙羅…落ち着け…っ」




「絢音ちゃんを探しに行かなきゃ……」




俺の腕を振り払い、沙羅はドアへと駆けていく。




「沙羅…っ!俺が行く…沙羅は部屋で待ってて…絢音が帰ってくるかもしれないだろ…?」




「……蒼」




「遊也も寝てるみたいだけど、もし起きたら心配すんなって言っておいて」




ドアの前で俺は、沙羅を抱き締めた。




「大丈夫、俺がちゃんと見つけて帰ってくっから……」




「蒼…お願い…」




「あぁ…」




俺は、ダウンジャケットを手に取り、急いで部屋を出た。
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