Butterfly's dream ―自我の境界線―のレビュー一覧

平均評価星数 ★★★★★ 5.0
★★★★★
2009/04/20 10:20
投稿者: 八谷紬 さん
蝶の夢は儚き希望

『胡蝶の夢』をモチーフに、自我を問いかける、澄んだ物語です。 文章については、読みやすく言葉の選択も流れも綺麗です。 ただ綺麗過ぎて若干「毒」がないのが勿体ない、という印象。 内容は物語が変わる後半、ちょっと唐突な印象を受けましたが、記憶に残ります。 出来れば前半でさりげなく匂わせていて欲しかったという思いも(私が読み取れていなかった場合は申し訳ないです) 終りが少し勿体ない気も…これは個人差があると思いますが。 橘が少し淡白なようで、ただそういう風に感じさせたかったのなら成功だと思います。 私が感じたことはレビュータイトルに。 瑞樹という人物からそう思った次第です。 色々厳しく書きましたが、透明度の高い、そして良い意味で冷たさを感じる作品。 個人的に、この手のものは考えさせられて大好きです。

続きを見る
pagetop