ストロング・マン
「俺の方がお前のこと分かってると思うよ」


「じゃあ久しぶりの再会を祝ってかんぱーい!」

「「かんぱーい」」


奈美の掛け声に合わせて3つのグラスがカチンと音を立てて合わさる。

あの日奈美に連絡をすると「久しぶりに3人で会おうよ」ということになり、今奈美、修也、私の3人で乾杯したところである。
奈美も都内の会社に勤務しており、3人の中間地点で飲むことにした。


「修也ほんとに久しぶりね。郁とはしょっちゅう会ってたからさ。
郁も夜勤お疲れ様。」

奈美にねぎらいの言葉をかけてもらえて思わず顔が綻ぶ。
先日やっと、地獄の三直体制が終わり、やっといつもの日常に戻れたのである。
・・・私の身体以外は。


「ありがとう。でもなかなかすぐに普通の生活リズムに戻すのがきついよ。」

「そりゃそうだ。

お前、高校の頃より大分老けたもんな。」

「ちょ、それはこの間夜勤明けの私を見てるからでしょ?!」

「あーでも、郁。目元、やばいかも。」


この二人はすぐにタッグを組んで私がぐさっとくることを言ってきたりする。
まったくもう、高校時代に戻ったみたいで、からかわれているっていうのに、ほっとするな。


「やめてよねー奈美までそんなこと言うの!」






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