ストロング・マン
おまけ



「で、その日は何もなくそれぞれ帰ったって?」


「うん、そうなんです…」


週明けの水曜日、私は奈美に修也と付き合うことになったことを報告しに、いつもの居酒屋を訪れていた。
奈美にその時のことを尋問され、その日別々に帰ったことについて追及されているところである。


「えー郁んちに行ってまあそういうことになるくらいには思ってたんだけど。なに、あいつヘタレだったの?」


「実はあたしもうちにくるかなくらいには思ってたからちょっと正直拍子抜けというか、なんとういうか。」


「だよねえ。修也って高校の時彼女いなかったじゃん?実はあんまり経験ないとか。郁は経験豊富だし、ビビってるんじゃない?」


「ちょっと、それじゃあたしがすごい人みたいじゃない。やめてよ。あたしは人並みですー。
でも確かに修也の元カノの話とか聞かないよね。大学とかどうだったんだろ。」


「あーうちら大学時代の修也まで知らないもんねー。ちょっと気になるよね。今度聞いてみたら?」


修也に元カノがいることがなぜか全然想像出来ないけど、あのキスの上手さは初めてとかではないと思う。それに、モテモテの修也のことだし。高校時代も私たちが知らないだけで実は身体だけの関係の人とかいたのかもしれない。
あーなんだかすごく気になってきちゃった。


奈美に今度聞くと約束し別れた。修也とは毎日連絡は取っていて、聞こうと思えばすぐ聞けるけど、こういった話題をメールとかでするのもなんかちょっと違う気がするし。今度会った時にしよう、そう決めて家路に着いた。



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