そして海の思い出を胸に

〜海での過去〜

地元の人からは、『今日は波があるから止めた方がいい』と止められたのに、希未が半ば強引に説得して、ようやくボートを借りる事が出来た。



「これ……2人乗りじゃない?」


「そうみたいだね」


「そうみたい……ってさ、希未。私達、3人なんだよ? 真実はボート初めてでしょ? あんた、ボート漕げるの?」


「もちろん♪ と言う事で、私は真実と乗るから、美雪は1人で乗ってね」




えぇっ?



「私、1人で?」

「だって、私、さっき真実の事は溺れたら助ける、って言ったから……ね?」

そう言って、真実の顔を見る希未。



「そうだね」

無言で私と希未の会話を見てた真実が、相槌を打った。


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