そして海の思い出を胸に

『兄貴達』と言うのは、隆志先輩や弥生ちゃんの事。



「今日は早めに切り上げますから、ご安心を」

私、そう返事をして鍵を受け取る。



「あんまり無理するなよ、美雪ちゃん」



……。



「あの、登先輩」

「ん?」

「ドサクサに紛れて、肩に手を置くの、止めてくれません?」

「あっ、やっぱダメ?」



そう言って私の肩から登先輩が手を離した時、合宿所の方から叫び声がした。

< 49 / 247 >

この作品をシェア

pagetop