そして海の思い出を胸に

「そう。まぁ、いいけど。ところで……さっきの男、誰?」



えっ?
なんて説明すればいいんだろう……。



「知らない人」

取りあえず、とぼけてみた。



「その割には、仲良さそうだったな? なっ、美雪?」

「別に、仲良くなんかありません! ……だって、あの人……」



僚二に似ているんだもん。

そう言おうとした時、真実が走って来る。



「美雪、ごめん。時間変更の件、言い忘れてた」

「いいよ、気にしなくて。もう時間過ぎてるから、行こう? 隆志先輩も」

「そうだな。じゃぁ、始めるか」

隆志先輩の声と共に、私達は体育館へと入った。

< 69 / 247 >

この作品をシェア

pagetop