着せ替え人形
3月29日


3月最後の日曜日


デパートは日曜でも休むことを知らない。


仕事を終えて疲れ切って家に帰ったとたん、ソファーに横になってしまった。


おもむろに目の前にある私が表紙にプリントされている本を開く。


…思わずためいき。


この間、一ノ瀬さんが何を言いたかったのか全く分からなくて
ここ数日間まともに寝れない日が続いた。


だけど、彼の言うとおり昨日届いた高宮さんの本を読んだら全て謎はとけた。


「要するに…一ノ瀬さんが高宮さんの恋愛相談にのりつつも、彼女と隠れて付き合ってたと」


確かに最低って言えば最低だけど…


「好きなことにかわりは無いわよ。
もう散々私だってひどいことされてるんだし」


それによくある話じゃない。
普通そこまで気にすること?




私はどういうわけかすごく強気でいた。

強気って言うよりむしろ開き直りかな?


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