合鍵 ~あたしの不愉快な夏休み~
バイト最終日
あたしのビミョーな思いをよそに、宿題は順調に進んで。

9日目の夕方にはすべて終わってた。



ひととおりノートをチェックした塔也は、満足げにニッと笑みを浮かべる。


「完璧」


きれいな細い指でノートを閉じて、きれいに揃えた。

頭はぼさぼさでも、そういうところはきっちりしてるらしいよ。


そういや本も本棚にきれいに並んでた。



「思ったより早く済んだな」


頭をぽりぽり掻いて、あたしにニッと笑いかけた。


「あんた、思ったよりなかなか事務処理能力あるね」


褒められてるんだか、何なんだか。

てか、この人、あたしの名前、覚えてないんじゃないだろうか……

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